流通オキザリスの覚書 - 学名が分かっているもの #
A #
Oxalis articulata:イモカタバミ / フシネハナカタバミ #
球根として流通していますが、植え替えずに栽培して育っていく姿を見るとどちらかというと塊茎・塊根の類のような姿に育っていきます(地上に芋が露出する)。オキザリスの仲間では逸出が確認でき、種子繁殖も起きやすいため拡散しやすいという点で注意が必要な植物でもあります
確認できている品種 #
- ブラジリアンピンク
イモカタバミの園芸品種として世に出たものではないのですが、見る限りではイモカタバミの1変異ではないかという姿をしています
B #
Oxalis bowiei:ボーウィー / ハナカタバミ #
江戸時代には国内に導入されていたらしく、オキザリスの中では一番身近まであるのではないかという種。O. bowieanaというシノニムがあり、ボービーだったりボビーアナだったりラベルには色々な表記がされていることも
短花柱花しか見られないにもかかわらず、果実が膨らんでいる(のちにしぼむ例が多い)
C #
Oxalis compressa #
セルヌア(O. pes-caprae)と似ている種。この種の八重咲きとされるものが流通していますが、自分の知る範囲では八重でない一重のこの種が流通しているのは見ていません
確認できている品種 #
- 心愛
流通上ではこの名称も見かけますが、品種登録上の名称は ダブルイエロー心愛。育成者権は消失済みです。登録者が選抜したもの……ではなくて古くよりある八重咲き(flore pleno表記で1800年代のイラストが存在する)を登録したもの疑惑があります
D #
Oxalis deppei #
→ Oxalis tetraphylla へ
F #
Oxalis flava #
flavaの学名から黄色をイメージしますが花色は黄色以外に白色・ピンク色のものも存在します。葉の形状もかなり個体差が大きく、シノニム扱いとなるOxalis lupinifoliaなどはその名の通りルピナスのような印象を受ける葉をしています
確認できている変種 #
-
Oxalis flava var. fabaefolia
ファバエフォリアとして流通しているものはフラバの変種だそうです。ファバエフォリアと明記されていないものの、この変種の特徴である葉柄の翼をもつものの流通が複数確認されています -
Oxalis flava var. pectinaria
確認できている品種 #
- Oxalis flava Lavender form
- Oxalis flava Pink form
- Oxalis flava Yellow Form
この他、パルマピンクで流通しているもの(これはこれで単一のクローンか微妙で難しい)などは、おそらくその形態的にフラバと思われます
G #
Oxalis glabra:グラブラ #
名称つきの個体の流通が多い種です。その中でも特に桃の輝きは色々な生産者の方が色々なラベルを付けて売っていてどういうパターンがあるか把握しきれいないほど
確認できている品種 #
- オマー
- ピンクドレス
- 桃の輝き
- ローズ
- ロングランチェリー
- Newロングランチェリー
恐らくグラブラであろうもの #
- ラブハピネス ホワイト
- ラブハピネス ローズ
- ラブハピネス ソフトピンク
- ラブハピネス ホワイト
いずれもタキイから発売の、品種登録がされた(登録上の名称は全てTF+数字3桁)ものたち
H #
Oxalis hirta:ヒルタ / キダチハナカタバミ #
確認できている変種 #
- Oxalis hirta var. tubiflora
確認できている品種 #
- Oxalis hirta ‘Gothenburg’
- Oxalis hirta ‘Purple’
- Oxalis hirta Blood Moon
- Oxalis hirta Lavender Form
- Oxalis hirta Salmon Form
I #
Oxalis inops:イノプス / イナプス #
100均でも買える……寧ろそれ以外のルートで見かけるか?となるような不思議な入手手段だった種。2球100円でダイソーにて扱われていました。現行でも球根がシーズンに買えるのかは不明です
なお本来のO. inopsはOxalis convexulaのシノニムとされており、明らかにこれと100均で売られていたオキザリスは別物であるようです。100均のものの正体はOxalis depressaであるという情報も
P #
Oxalis palmifrons: パルミフロンス / パルマ / 孔雀の舞 #
最初はsp.としてパルマの仮称で流通していた植物……という印象があります。この学名自体は1936年に記載されたものなので、それとの関連付けがなされるまで時間がかかったのか。孔雀の舞はロゼットの様子を孔雀の求愛行動に見立てたものと思われます
Oxalis pes-caprae:セルヌア / オオキバナカタバミ #
現在は有効な学名がcernuaではないのですが、その名前として以前より流通していた関係でセルヌアと呼ばれることもあります。染色体の倍数性により不稔とされていますが、球根の増殖だけで外来種として猛威を奮っている地域も
Oxalis polyphylla:ポリフィラ #
ただのポリフィラ、としての流通は身近ではありませんがペンタフィラがこの種の変種扱いのためそういう意味では流通の機会が多い種です。似た学名ですと4をあらわすテトラフィラは別種ですが、7をあらわすヘプタフィラは同様にポリフィラの変種扱いです
確認できている変種 #
- polyphylla var. heptaphylla:ヘプタフィラ
- polyphylla var. pentaphylla:ペンタフィラ
古くから流通しているラベルではペンタ・フィーラ表記あり。比較的新しいそうなものではペンターフィーラと更に癖が強いものが……
Oxalis purpurea:プルプレア / バリアビリス / フヨウカタバミ #
ボーウィー・グラブラ(の桃の輝き)と並んでメジャーではないかと思うオキザリスです。ひろく複数タイプの花が同時に流通しているという点ではオキザリスの中では珍しい側かもしれません。花色は白・ピンクを中心にラベンダ―色やオレンジ色まであるようです
確認できている品種 #
- ‘Garnet’
- ‘Ruffles’
- Deep Rose
- Lavender and White
- Salmon
- Cherry
- パープルヘイズ
- サンラック
- ライトピンク
- ラベンダー
ラベンダーは昔別の種に入れるという意見もあったのを見た記憶がありますがその辺の情報を発掘できず。気になっているのでいずれ見付けたいです
T #
Oxalis tetraphylla:デッペイ/モンカタバミ/ラッキークローバー #
シノニムの学名がO. deppeiなのでデッペイ呼びされます、モンカタバミは紋カタバミで、葉に模様が出るところから。ラッキークローバーは小葉が4枚あるところを四つ葉のクローバーに見立てたところから来ています
確認できている品種 #
- Oxalis tetraphylla ‘Iron Cross’:アイアン・クロス
国内で見かけるデッペイは基本この品種(のはず)
Oxalis triangularis:トリアングラリス / サンカクカタバミ #
和名がないかと調べて出てきたものですがあまり身近ではない > サンカクカタバミ
南米原産で、球根植物ではありますが南アフリカのような地域のグループとはその形態は大きく異なります(細長い鱗状鱗茎)。紫の舞に代表されるように葉の表側の色が緑色以外のものがいくつか見られます
確認できている品種 #
- 銀の舞
- ファニー
- 緑の舞
- 紫の舞
V #
Oxalis versicolor:バーシカラー / シボリカタバミ #
確認できている品種 #
- シンデレラムーン
八重咲きの選抜個体で、種苗法上の登録品種(現在も育成者権は有効)。登録上の名称はシンデレラムーンではなく SKダブルワン