いずれにしても外来種
September 30, 2022
ツユクサ属もいままで意識していなかっただけで色々といるんですねぇ……という勉強になりました。正直つい最近までマルバツユクサも別属かと思っていた程度の認識だったのですが
謎のツユクサ属植物との遭遇 #
田んぼのツユクサ科の雑草といえばイボクサだよね!という知識を最近得て見ているとなんか別のツユクサ科っぽい花が一緒に咲いているな?ということに気付いて……
よくよく見てみると小さいながらもツユクサ!って感じの花、これも最近覚えた花だマルバツユクサ……マルバ……?
いや苞を見ても毛が生えていないけどこれは本当にマルバツユクサなのか?
というひっかかりがあったんですよね。いやマルバツユクサって言うんだから葉の形状を見れば全然丸くないだろうという突っ込みがここで出てくるのはごもっともな話なのですが、自分の中でマルバツユクサは花が小さくて苞に毛が生えて葉がうねってるやつという認識しかなくて家に帰って過去の写真を見るまで葉の長さとか全然違うことに意識が行っていなかったのです
検索と推測と #
苞に毛が生えていないしマルバツユクサっぽくないなと考えた自分は色々と他のツユクサ属植物について調べて1いると、外来種としてカロライナツユクサ (Commelina caroliniana) という種が国内に侵入していることが近年発覚したという話を見付け2、最初はじゃあこいつかと思ったのですが……パッと見では似ているシマツユクサ (Commelina diffusa) という本来はかなり南の方にだけ分布していた種も近年本州で広まっているという情報も出現
じゃあ両者を判別するための情報――雄しべがなんか色違うらしい――というものを引っ提げて、改めて観察してみよう!というリベンジをしに行ったのが今日です
2日目の追加調査にて #
雄しべの色を見ればいいんだな! という安直な考えを阻んだのはまず花のサイズ、小さいのでよくわからんという。そもそも雄しべの色って葯なの花糸も大事なのその辺どうなんだろうという疑問と、普通のツユクサ基準でなんとなく分かったつもりになっていたのですが 数タイプある雄しべもよく分からない という……いやこれも半分花のサイズが小さいのがよくないんですが
X字型雄しべなるものはまあ分かりました、花糸が短いですしXですし花粉もないですしなんか分かる。問題の色が違うらしいY字型だの逆V字型だの言われている雄しべがこう……もう1種類の雄しべとどっちがどっちだ?となって結構悩んだのですが、多分上の写真にあるものがその雄しべで色がついていますね。そうなってくるとこいつは シマツユクサ の方ではないかと考えられます
もう1つの情報としてこの直立するように咲いている花なのですが、カロライナツユクサの方ではあまりここに花ができないらしく3今回の集団ではここからもバシバシ咲いていたのでその辺もシマツユクサかなと思う要素でした
まとめ的な話とおまけの話 #
カロライナツユクサだろうがシマツユクサだろうが京都府においてはどの道外来種ということには変わりないので、そういう点ではいつ駆除されてもおかしくないですし駆除する分にはどっちかまで気にするほどのものでもないかもしれない、などと思わされました
西日本では結構カロライナツユクサも拡がっているという話なので、別の田んぼもチェックしてどこかにカロライナがいないか探してみたいですね。あるいはシマツユクサの別の集団を見付けてもそれはそれで外来種を見付けたことになるので個人的には成果になるか
因みにマルバツユクサはこんなんです。花でいうと上2枚の花弁と比較して下の1枚の色が薄いのは外来種2種と比較するとマルバの特徴なのかも。やっぱり苞の毛ですね、あとこうやって見るとマルバだけあって葉は丸っぽいのでその辺意識しておきたい
自分がこれまで知らなかっただけで、他にもツユクサ属の外来種は国内にやってきていたりするので今後は――どこまでツユクサ属に出会うことがあるかわかりませんが、もう少し理解度を深めて意識して観察できるようになりたいですね
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この段階でやっとマルバツユクサもツユクサ属と気付く ↩︎
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http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/Commelina%20.caroliniana%202012..htmlより ↩︎