サツマイモの開花観察

August 20, 2023
野外観察記録
ヒルガオ科, サツマイモ属
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結構咲いていました #

開花、見てきましたよ!水やりをされていたようで切れている花も多かったですがなるほどこういう花なんだなあと改めて見ていて思わされます

基本的にはやっぱりマメアサガオとかあの辺のグループだなというのを強く感じる花です。更に言えばこういう色はかなりイモネノホシアサガオを彷彿とさせますね。筒の部分はこちらの方が太さがありますが、花の直径だけで言えばどうでしょう、案外イモネノホシアサガオの方があるかもしれないです

多少色の薄いパターン。個人的にはこういう色になるとちょっと別のイポメアっぽさを感じる色だと思います。どっちかというと多肉とかそっちのジャンルで登場するやつや、ヨウサイみたいな配色

『なんで咲いているか』を考えたい #

2年連続で同じ畑で咲いている以上、これは偶然ではなく何かサツマイモを開花させる要因があると考えたいです。ということで周辺のサツマイモ畑を観察して比較して考えよう!と

畑の違いから見ていく #

これが開花していないサツマイモ畑の1例です

そしてこちらが開花しているサツマイモ畑……正直に言いますとこう、株の旺盛さに差がありますね……。たとえば園芸植物で肥料バランスが悪く窒素過多になると全然咲かない、という話もありますので比較対象はそういう面で咲かない何か条件を持っているのかも知れません

一方で、開花している同じ畑には畝によってこのように新しい葉が赤くなる別品種も植えられており

開花している畝と隣接しているような条件でもこの赤いやつに開花は見られませんでした。隣接した畝間では栽培条件がほぼ同一であると想定すると、これは品種の差異によって開花への応答性がかなり異なると考えて良いのではないかと

品種の違いから見ていく #

と言っても植えられている苗を見て「むむっこの品種は〇〇だな!」みたいなことはできないのですが……それでも見れば分かることはあるのではと

開花が確認できなかったもの #

まずはこちら、すぐ上に出てきていた新しい葉が赤くなる品種です。どの程度赤くなるかは……こういうのってストレス応答でしょうし、品種自体の特性だけでなく気象条件とかも関係していそうですね。こういうの普通に観賞用にならないだろうかとも思います、最初から紫色のテラスシリーズのやつがあったはずなのでこれじゃ微妙か

こちらはもっと上に旺盛に生育している畑に植えられていたもの。マルバルコウやマルバアメリカアサガオのような丸い葉のアサガオ類で見れるようなちょっとずつ尖ったでっぱりが出現するタイプです

開花が確認出来たもの #

こいつらを見返すと、展開しつつある最新の葉とちょっと前の葉とで形状が異なることに気付いたので本当は両方ちゃんと同じ個体のを撮ってこうです!というべきなのでしょうけどひとまず少し古い葉をメインに

これは基部の方が広い三角形型とでも言えばいいのかな?

こちらは分かりやすく、アサガオなどに見られるイメージのある葉の方ですね。5裂に近い形状になっているものもありました

これは一番言語化しにくい。基本的には丸みのある葉で、中央上にあるようにちょっとだけ耳みたいなものが出てくるタイプです……とまあ、自分の言葉はさておいてこんな形状の葉のサツマイモたちが開花していました

葉っぱから考えたいこと #

さてこうやっていくつかのサツマイモたちの葉を紹介しましたが……これ、サツマイモに詳しい人ならある程度どの品種なのか絞り込めたりしないかな?と思うんですよね。あとは絞り込みというならば市内で生産されている品種を調べればある程度それも候補に出来る可能性があります、こっちはメジャーな品種ならもっと沢山咲いているのでは?となるので……ちょっと難しいか

一応芋ほりする観光向けの農園では鳴門金時紅はるかが生産されていること、市内の主流の品種は高系14号から紅赤へとシフトしていることは分かったので、咲いているサツマイモ咲いていないサツマイモをもっと観察していかないとです。あとはネットとかで栽培風景の写真を見れば比較できそうかなとか

さいたま市/【見沼グリーンセンター】紅赤栽培について

一例として、紅赤は成長点付近の葉が赤くなる特徴を有するという情報なんかは見付けました。この記事の中にも似ているもの、ありましたよね。つまり紅赤は開花しやすいサツマイモ品種ではないということが言えそうかな……なんて

品種を知れたらやりたいこと #

  • 開花しやすい=交配する機会を作りやすい
    つまりサツマイモを親とした雑種の作出に挑戦したい人にとってこれはかなり有用なのではないか
  • 単純にこれ、鑑賞向きじゃないかという考え
    普通のアサガオと比べると遅いのですが、8月に花見れるのであればもう花物にできるのではないか

この辺です。アサガオの仲間ってどうしてもつるで巻き付くので扱いにくさがあるのですが、その点サツマイモであれば気にする必要はなし。そして早い時期(近縁種比)から沢山開花してくれるとなれば、もう花苗になれるんじゃないか?なんて思うんですよ。芋を越冬させれば多年草的な扱い方もできるでしょうしなんなら食べたっていい。そんな可能性に満ちた品種ではないでしょうか、この開花するサツマイモって

開花にエネルギー使う事を考えると農作物的には改良の余地アリとも言えちゃいますが……