ズムラの正体は
September 21, 2023
全国のズムラー1のみなさんこんにちは。自分もズムラ買ったんですがこいつ謎だよね?となったのでどう謎に感じたのかをちょっと整理して記してみようと思います
「ズムラってなんだよ?」という人向けに #
シペラス ズムラとしてホームセンターの店内にインドアグリーン的な植物たちと一緒に販売されている植物です。ググるとCyperus alternifolius ‘Zumula’なんて書き方もされていたりしますがalternifoliusはシュロガヤツリの学名で……さすがにそれはないのでは?となる、そんな植物です
ということで先日自分もその存在を知り、これは育ててみるしかないな!ということで購入して鉢植えににしてみました。インドアグリーン的な扱いと書きましたが屋内での管理とかできる気がしない2のでこのまま外に置いてみることにします。とにかく日に当てていつになっても終わらない夏みたいな日中の気温を体感してもらう。そしてなんとか咲いてくれないかな?と
ここまでわき芽が出ているのに全然開花する様子がないので……
ズムラを知って改めて「こいつなんだよ?」となる #
なんなんでしょうねこいつ?国内のその辺に生えているようなカヤツリグサとかって
わき芽が出てくる=その元となった芽は開花する
と書くと少し雑ですが……でもわき芽だけポンポン出して開花しない挙動なんてしていたっけ?となるんです。厳密にいえば開花はしていないのですが、一部ではこのズムラが所属すると記述されているシュロガヤツリなんかは幼い株でも苞葉を展開していますしそっち系とも違う
シペラスは花でなんとなくわかる #
という持論に基づき開花を目指すのですが、まず開花写真がネットにあるのでは?と思いググってみると
Nilgræs - Cyperus zumula - Ø 12cm - Anchers Havecenter
出てきました……開花写真が出てきたのですがこれヒメクグのおばけみたいな見た目だなって感想です。ヒメクグはここまで1つ1つの花序が細長くはないですが、なんとなく個々の鱗片とかそこから蕊の出てくる様子はヒメクグっぽい。でも花序枝……出ないよなあ?とはなります
ヒメクグの仲間で考える #
ヒメクグはシペラス(カヤツリグサ属)として扱われますが、この辺は別属とされていたこともあり3その場合はkyllingaという属になるんですよね。じゃあこの属でそれっぽいものがないかを調べるというのが1つズムラを知るためのアプローチになるのではないかなと
green kyllinga Kyllinga brevifolia Rottb. (INVASIVE.ORG)
そしてとあるサイトにてKyllinga brevifolia――ついアイダクグと書きそうになりますが細かいことをいうとそれではいけないやつ――の写真にズムラみたいなものがありました。ただしこれをそのまま受け取ってはいけなくて
- Kyllinga brevifoliaの1タイプとしてこのようなものが存在する
- 野生化したズムラをKyllinga brevifoliaと判断した
- ズムラ以外にもなんかこんな植物が世の中にはいる
とかまあ色々と考えられるわけです。ただズムラっぽいものをKyllingaだなと感じる人が他にもいる、というのはやはり自分の考える方向性として間違っていない……かもしれない
Kyllinga brevifoliaっぽいか?で思う事 #
この種の2変種、アイダクグとヒメクグの区別も正直言って鱗片の刺が細かすぎてあまりできていないのですが……いずれにせよ、こいつらをベースに考えてズムラがそれっぽいか?を考えると
- アイダクグ,ヒメクグには見られない花序枝の存在が気になる
- 苞葉がアイダクグ,ヒメクグより多く大きい
- ズムラの葉をもんでも甘い柑橘臭がしない
というところはやはり気になります、気になりますが柑橘臭1つをとってもbrevifoliaという種全体での特徴なのかとか語れるほど知っているわけではないので……まあなんとなく違う気がする、ぐらいの話しかできないですね。ちゃんとした文献にいずれ当たる必要はある
ひとまずのまとめ #
このズムラ、ヒメクグ属(Kyllinga)の仲間の要素を感じる植物であるということは間違いなく言えると思います
ただじゃあそれはどういうことなのか、を考えると……自分が知らないヒメクグ属の種なのか、調べて出てくるような種の変異なのか、実はシペラス内で自然交雑種がいるんですしいわゆるカヤツリグサ的な種たちとヒメクグ属だったやつのハイブリッドだったりするのか……まだまだ謎が多いですね