トレー買いしたスミレが届く

March 3, 2024
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トレーで買うのを楽しみにしている……というよりは、自分の行動範囲では入荷しないのかな?と言う雰囲気なので、買うとすればメルカリやヤフオクに出てくる市場から入荷したトレーごと出品されているものを買うことになるのです


ということで、気になっているものが入っているトレー……は気が付いたら売れてしまっていたので(アナマハケメには縁がなかったorz)、出品者の方に「もう一回入荷する予定はない?」とお訊ねしたら、これまでの出品額を出すなら市場のを押さえることができますよというお返事を頂いたので買いました。結構なお値段ですがまあ15株入りですし年一回のお楽しみですしね

以下、15株の中身がどんなものかを1つずつ紹介していきます


アリアケ #

15株あるうちのnotマンジュリカの2つのうちの1つ

しかしこういうもので売りに出されるアリアケなのでやはり選抜品種だな!という顔をしています。もっと真っ白いアリアケだって売ってもいいと思うんですけどね、どうしてもハデハデなのが選ばれがちでしょうか。去年のもこんなのだったっけ……?

距はこんな感じですね


えび茶 #

えびってのは海老ではなくて葡萄のことですね。ただそこに茶とついた色っぽいかというと?なところもある名称のものです。普通の紫色とはまた毛色の違う色ですのでお勧めできる種類(そして生産者によって同じ名称でもちょっと花がちがう気がする種類)

ジョイフル本田のTwitterですごく好みの花を見てんんんんんんんんん!ってなっていましたが、このタイプの花をライティングを変えて撮れば同じようになるかな?と思うと満足です。分かりにくいですが上弁が2色に分かれるタイプに思えますね。えび茶ってそんなんでしたっけ?

距はこんな感じ


コモロ #

長野県の小諸で見つかったのでコモロという名称、別に小諸産である必要はなくて、大事なのは八重咲きであること……のはずです。それでよかったはずですよね?

あまり綺麗には咲けていませんが八重になっています

萼も枚数が増えていて……花弁との境界が薄れているのかお互いにお互いの要素が出現しているのも見て取れますね


三宅 #

三宅……いやこれどうなんだ?となる問題児。今回問題児多いですよ

三宅ってなんぞ? となることも多いでしょう。三宅島産のアツバスミレのことです。因みに過去には神津島のアツバも流通していたんですよ、二色アツバ以外のアツバも色々とあるので、各地のを集めるときっと楽しいですね

で、問題児呼びの理由ですがこれです。こいつもしかして白花コモロとして流通しているやつの実生なんじゃないの?という……そんな雰囲気がするんですよね。三宅島のアツバもこういう配色だったような記憶がありますがここまで条がハデハデではなかったような記憶があります。うーん……

蕾の段階でもう花脈の派手さを楽しめるのがこいつの1つの売りでしょうか?

アツバっぽいかはなんともですが葉はこんな感じでした


純白スミレ #

いわゆる素心、いわゆるアルバなやつです。花が白いだけではなくて葉の色も赤みがなく、緑色も薄くなっていますね

花弁は真っ白です。個人的な好みを語るのであれば、花の形はこれよりも好みなマンジュリカがあるので、そちらとこれを交配してさらにセルフでF2世代から目的の花形+白花の選抜とかしたら面白いんじゃないかなと

当然ですが距も白いです。白いというかちょっと緑?


大輪 #

家族に見せたら「いうほど大輪ではないな」というコメントを貰いました、自分もそう思います

まあサイズはほどほどに大きい、程度の花ではありますが

上弁が2色に分かれそうなポテンシャルを持っていること、唇弁の白色が消えそうで消え切っていない……そんな雰囲気とかは好みの花です。でも大輪かって言われると……小さいわけではないんですけど……

距はこんな感じです


アナマ #

アツバスミレは海のスミレ、そしてアナマスミレもまた海のスミレ……ということで太平洋側と日本海側で違った適応を遂げているらしい面白いスミレの一端がこいつです

この巻いている葉がアナマの特徴だとか、本で読んだ気がします。一度だけアナマはイソスミレと同時に海のスミレ探しだ!と探しに行ったのですが、砂浜にスミレはおらず……海沿いの道路を海風から守るための高いコンクリの壁と道路の隙間にそれっぽいのを見つけるに終わった経験が

おわりかけの花1つだけでしたのでこれはまた改めての撮影が必要ですね

距。ちょっと他のマンジュリカよりも細いですね。ぽってり感が薄い


ゆうぎり #

名前付きのマンジュリカの流通品ではド定番です。ただの定番じゃねえぞ……

こういう花だと特徴はまだ弱いですが

はっきりと出ているものだとこうなります。イメージとしては普通の花色の上から白色を塗りたくった感じでしょうか?この雰囲気が好まれるのか、良く流通している印象があります。あまりこういうのは少ないですね

距。上の花と同じものですが、裏面はそこまで真っ白ではないようです


    コモロ #

ラベルの表記に準拠するとこうなります。何かの逡巡を感じさせる……謎の表示です

株の全体図

注目したいのは、まだ1輪だけなので断言はできませんがこれはコモロではないのではないか?ということです。コモロと呼ぶにはやはり八重咲である必要がありまして……今の所普通に近いマンジュリカと評せざるを得ません

距の色は白っぽい色。うーむ……色は好みのマンジュリカではあります


明神 #

別の生産者のものでもそうなのですが果たして明神とはなにをもって明神とするのかについて我々はもっと議論を重ねるべきではないかと思うのです。そんな問題児がこいつです

だって……唇弁に白色が……!となる花をしています。そしてそっちにどうしても芽が行くので見落としそうになりますが、こいつ側弁に毛が見当たらないということで、マンジュリカの典型例からははずれているようです

開花が進むとよじれる系みたいですね

唇弁の特徴的に明神と自分は呼べないですが、しかし明神の類(下で出てくるホコバ明神)で見られる特徴である萼の赤色なんかは確認できるので、こいつは種を播いて次世代とか気にしていくともっと明神らしい花がでるのかも?

でも側弁の付け根も白いなこいつ……


ひむれ #

マンジュリカ、色々な選抜個体がありますが……その中でも傑作と呼ぶに相応しいのがこいつです

これまで紫色だったのに突然のワインレッドなカラーです。すごくいいですよこいつ!

距。裏側もこのカラーで本当にどうやってこんな色を生み出されたのかと感心しきりです。ピンクっぽいものなら野外でも見ますが、それとこの色は一線を画しますし……


平林寺 #

最初のアリアケからだいぶ経過して出てきました、notマンジュリカのスミレ2つめです(ヘイリンジスミレはマンジュリカとヒメスミレの交配種)

ほぼヒメスミレだなという形の花に、白っぽい色が支配してきて覆輪が生まれている……なかなか素敵な花になっています。ということで親のマンジュリカの方がちょっと変わったやつなのかな?という雰囲気

距。この辺も結構色がヒメっぽい。両親は2n=48の染色体数ですが、そういや普通にうまれたヘイリンジには稔性があるのでしょうか?こうやって商品になっている以上、このヘイリンジは稔性のあるものにはなりますが……


紅ムラサキ #

昨年はこれともう1つ■ムラサキとなっているラベルのものがあって、紅がつぶれたのかもっと別のものが書かれていたのか気になった記憶があります

紅、というだけあって紫というよりもそういう赤系の色をしていますね。ちょっと先端は色抜け気味?

距はこんな感じです


ホコバ明神 #

マンジュリカの選抜品としてはこういうものあるんだ!と思って貰いやすい(と思っている)やつです。ホコバ(葉が細くなる)+明神(唇弁の白色がなくなる)の複合技ですね

花弁が細いのも多分ホコバであるがゆえ……と思うのですが、普通のホコバスミレとか見たことないので断言はできず。明神というだけあって唇弁もべったりと塗りつぶしたような色をしています。これこそが明神のはず

で、上の方にある明神で話したことがこれです。花柄も赤いですし、萼にもかなりの赤色が乗ってきます。結果として出てきたもので唇弁の白色ないよと言っちゃっていますが、明神で起こっている現象の根本的な部分はもっと別の色素がめっちゃ発現しているとかそういうものじゃないかな?と

ホコバというだけある葉です。縁取り赤いのも明神の変異の影響かな?


エドムラサキ #

昨年はなかったような記憶のある品種です

紫……というよりはピンクよりの、そういう色彩なのでどうしてエドムラサキなのだろう?となりますよね、でも実は江戸紫という色があるのです!それを見れば……見れ……全然違う色だこれ!

距はこんな感じ

因みにこのエドムラサキ、なんか見覚えがあるな?と思って並べてみると大輪の色違いみたいな花でした。紫色が違うだけで花の形も唇弁の特徴もかなりそっくりで……兄弟とかなのでしょうか?


ということでかなりここまで整理するのに時間がかかりましたが、今回入手した15株の紹介でした。昨年はちょっとグダグダになったので買い直し(そして同じものが手に入っていないのも多い)の要素も強いのですが、こいつらを親にして交配とかもしたいと思っているので今年こそは頑張りたいですね

交配したら絶対面白いだろうというやつも手配できてますからね……!