謎のアオイ科はアブチロンだった
August 5, 2023
隙間に生えている不思議な植物に遭遇しました、種もできているようです
生憎と花はもう終わった後のようですが……なんでしょう、これはアオイ科っぽいな?という雰囲気
その辺にいるアオイ科の雑草といえば多いのはMavla (ゼニアオイ属)、こいつもそうかな?と思って果実を見ると……袋に入っているのでこれは違うぞ!となりました。あの属はむき出しのがぐるりと詰まってるイメージあります
そしてその袋が開いて種が出てくる仕組みになっていると。この辺はですね、パッと見た瞬間にはフヨウの果実なんかが思い浮かんで……やっぱりアオイ科というのは間違いないだろうなと。この中に入っている種子もフヨウやムクゲとかなり似た見た目をしていました。つまり属としても近縁?
葉はアサガオの仲間っぽい形状で腺毛が目立つといったところ
これだけ情報持ち帰ればきっと分かるだろう、と調べるも最初アオイ科で黄色い花……シダ1の仲間か?となったり脱線をしていましたが、どうにもイチビという植物であるということが判明。そしてこいつの学名がAbutilon theophrastiでアブチロンだったの!?というところにたどり着いたのです。あとウキツリボクを見ているとなんか近年では別属にするよという主張をしている人もいるそうで、 「この草ってあの俯き気味に咲くアブチロンと同じ属なんだ」という雑学的な話の展開はそのうち出来なくなってしまうのかもしれません
持ち帰って果実を撮る #
ぐるりと一周……何室ぐらいあるのでしょうか、沢山の部屋にわかれてそれぞれに数粒の種子が入っています。果実の周囲にあるのがその種子で、上でも書きましたが形状はムクゲやフヨウといったものに似ています。なおフヨウ属とイチビ属は分類的には連が違うようでそこまで近縁ではなさそう
異臭がして乳牛が食べるとそれが移ってしまうとか、元々繊維を取るための植物だったので強靭で農地に出現すると機械に巻き込んで機械をダメにするとか、10年ぐらいに分けてぽつぽつと発芽する戦略を取っているとか、雑草としてはかなり悪さをするタイプのようです。そして昔に繊維を取るために導入されたものと、自分が出会ったような雑草として出現しているものは別系統という話も……いつかはかつて栽培されていた系統のイチビも見て、何が違うのか見てみたいものです
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キンゴジカたちの属名がSidaなのです、カナ読みすると一気に面倒になるやつ ↩︎