謎のツユクサ属に出会う
October 13, 2022
あんまりツユクサ属の理解を進めることのできていない自分には太刀打ちできない謎の植物です。ちゃんと特徴から絞り込めば答えも出そうですが……
田んぼの"中"にツユクサっています? #
ツユクサ……色違いを探すならケツユクサいないかなーとあちこちの田んぼを見ているとですね、田んぼの中にツユクサの花を見たわけですよ
なんであぜじゃなくて中に生えてるの!?
なんできみ紫色しているの!?!?
となるわけですよそりゃ、めっちゃびっくりしましたよ
落ち着いて観察するとまっすぐ立ち上がって稲よりも高くなっているわけではなくて、よりかかるようにして登っているのかな?という印象の生え方。手前のあぜにですね、ヨメナっぽいものとかと一緒に同じツユクサの刈られた残骸があったので、あぜ~稲の植えている間の田んぼの中にも生えていたのかもしれないです。他の田んぼにはおらず、この田んぼでもごくごく狭い範囲でのみ観測できました
そして花の色はみんな紫色をしていたので、これは薬の影響とはではなく遺伝的にそういう集団と考えるべきだろうというものでした。そもそもこんな時期に植物の影響がでる薬剤なんて田んぼには使わない……ですよね
ツユクサ属らしいキラキラした花弁ですね。写真の撮り方がとても悪く何故かサイドからのものはないのですが、苞葉の側面?とでもいいましょうか、ケツユクサとかなら毛が生えている場所に毛はありませんでした。多分何者か考えるにおいて大事な要素
果たしてこいつは何者か #
紫色の花で立つ……という要素から自分の中でまず頭に浮かんだのは フジイロタチツユクサ (Commelina undulata) ですが、何もなくても直立する植物がイネをよじ登るのは違うし花の色はもっと薄いし花糸とかにも色が付いているし苞葉に毛があるはずだし……ということで全然違う
単純になんてことはない、普通の ツユクサ (Commelina communis) の珍しい色変わり集団がいただけ……というのが一番ありそうな線なのですが、しかしそれにしては田んぼの中にいたというのがどうも解せない。それがアリな植物だったらもっと他でもあぜじゃなくて稲の中にどんどん侵入しているツユクサを見てもよさそうじゃないですか。それがないってことは生えていない理由――水を張っているところに進出するのは苦手とか、除草剤に負けるとか――何かありそうな気がするのですがそこまでツユクサのことを知らないのでツユクサかどうかの評価もできないという
ピントは手前の雌しべにきてしまっていますが……X字型雄しべのオレンジの粒状のものが写っていますね、これもあとで普通のツユクサを見て『なんだこれ普通にあるものか』と思ってしまいましたが、この不完全な花粉も作る種/作らない種があることを考えると……やっぱりこいつはツユクサで、その中でも色を踏まえるならウスイロツユクサとするのが良いのかな?と
でもやっぱりイネに混ざっているのがどうも納得いかないので……自分が納得するためにそういうケースのツユクサの写真記録とかないかも探してみたいと思います