道端にナデシコ

January 3, 2023
野外観察記録
ナデシコ科, ナデシコ属
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以前よりなんか栽培植物の逸出が見られるな、とは思っていたのですが名前までは知らなかった植物、まさかの在来種でナデシコだったんです

名前を知るきっかけは #

昨日ノゲシを撮った写真に写りこんでいたこいつですね、そういえばここにも親株が咲いていたけど消えていて……でも実生個体らしき小さいものがいるなと。そしてこいつの名前なんだろうなとつぶやいていたらハマナデシコではないか?というリプライが

えっナデシコなの!?となってもう一か所確認していた場所へ急行(自宅から徒歩2分)したのです

開花個体の確認 #

もう一か所のものは普通にプランターの植栽が残っている場所ですね

ナデシコ……なるほど触手みたいな雌しべが2本でろんとしてるしこの花はナデシコだ!となりました

ハマという和名からも分かるように海岸とかに生えている、つまりそれに適応している姿をしているのですがこの光沢感ですよ、かっこよくないですか?すごい個人的には好みの植物ですよ

前回ここを見た際にいた実生個体は消えていましたが、道路と溝のコンクリートの隙間の苔の中にですね

種がこれだけの距離飛んで生えてくるということを実感させてくれる実生個体がいます。個人的な偏見ですがこういう海岸性のクチクラ!って感じの植物は路面間隙雑草になる適性が高いと思うんですよね、根拠は地下部分が強いわけでもないのに結構な場所で野生化してるツヤスミレ

ハマナデシコとはなんぞや #

そもそも日本には在来種としてナデシコ属の植物が数種類いるらしく1、そのうちの1種がこの ハマナデシコ (Dianthus japonicus) なんだそうです。種小名に日本ってついていてびっくりですよ。近いものでより小型、でも花は存在感がハマナデシコよりもある ヒメハマナデシコ (Dianthus kiusianus) という、こちらは九州から学名がついている種もいるらしく……こんな魅力的な原種が日本にいたのですね

しかし在来種とはいえ逸出は逸出、こういう間隙に生える程度には強いということを知れるのは興味深いですが、もし栽培するのであれば気を付けないといけない植物でもあるということも知る機会になりました

これ交配親に使ったら面白いんじゃないかなと思ったら当然そういう研究もされているようです。その辺で栽培されているということはきっと苗が売っていたりもするでしょうし、今年もし出会う機会があったらちょっとこのナデシコは育ててみたいですね


  1. カワラナデシコしか知りませんでした…… ↩︎