野外の植物観察記録@2022/05/10
May 10, 2022
合法コレオプシス #
合法があるなら非合法なコレオプシスがあるのか?という話になりますが……あるんですよね
こちらは以前よりこの場所で毎年大量に発生しているハルシャギクという植物です。属こそ違いますがコスモスの和名はオオハルシャギクというだけあって結構植物の雰囲気とかは似ている気がします。ハルシャという名前はペルシアから来ていますが実は原産とかは関係ないのですよね
このハルシャギク、学校のグラウンドを覆いつくして体育が出来なくなってしまった……なんて冗談みたいなエピソードもあるぐらいにはやばい植物なのですが。それを超える問題児として特定外来入りしたのが同属のオオキンケイギクで、こちらは栽培すると法に抵触するヤバいやつです。この時期だともう開花しているはずなのでまた探しに行きたいですね。結構普通にいますしその辺の植木鉢から生えているケースも多い
ナス属のあれこれ #
作物として身近なナス属も色々と帰化植物がいるんですよね
悪いナスビ #
ナス属も色々と外来雑草がいますがワルとそのまま和名につくぐらいにはたちの悪いやつ
そうですワルナスビです
ナス属でも次に出てくるやつとは違ってこのワルナスビの花はナスとかジャガイモとかあの辺に近い雰囲気(大きさとか?)がありますね。ちょうど今ジャガイモも開花時期なので見比べたりできると楽しそうです
よく考えると花の構造をよく知らないな、とTwitterで呟いたら
- 雄しべは袋状になっていてここから花粉が零れ落ちて受粉する
- 作物のナスは栄養不足だと雌しべが短くなってしまう→結実し辛くなる
という大変面白い話を教えて頂きました。うつむき気味に咲くのもそういう意味では大事なのか
さてこのワルナスビ、何が悪いのかというとまずトゲです
そりゃもうめっちゃトゲトゲしていますよ、非常に痛そうです。そしてこの写真で気付きましたが結構な数の花が付くのですね。一度に咲けば見ごたえもありそうですが順々に咲いていくのかな?
悪い要素は他にも色々とあって
- ナス属だけあって有毒なので家畜などが食べると危ない
- ナス属だけあって畑に入ると連作障害の原因になる
- ナス属(ry 畑の近くにいるだけで害虫を呼んでしまう
- 駆除し辛く下手に地下茎を切るとそこからまた殖える
とまあ厄介な雑草だそうです。余りワルナスビに出会わないので害虫の被害に遭っている個体も見たことはないですが、テントウムシの食害もすごいですからね……畑のナス科植物へ広がるための足掛かり
イヌホオズキ類の何か #
何かです。ちゃんと細かいところを記録してみれば分かるはずですが今日はパパっと撮っただけでそこまで考えていなかった……それにしてもここまで株が大きくなるのには驚きです。どこまで大きくなれるのだろう
上のワルナスビで書いた害虫の話ですが、こちらもナス属だけあって同じ害虫の被害に遭います
この犯人はテントウムシ……と言っても普段見慣れているナナホシテントウやナミテントウなどの種類とはまた違うグループのテントウムシ、植物の葉を食うやつがいるのです。テントウムシは益虫であるべしという人間のエゴと偏見の詰まったテントウムシダマシなんて呼ばれ方もされていて面白いです。まあこの名称に関しては真面目に形態を見た結果テントウムダマシ科とされている甲虫もいるので非常に紛らわしくはあるのですが……
花はワルナスビと比べると非常に小さいですね。そしてそちらで触れた花の構造の話を踏まえると、正面の花はまだ受粉できるような状態ではなくて向かって右の方が雌蕊の準備ができた花、と捉えるといいのかな?
正面の花の状態で雄しべを除去すれば自家受粉の確率を下げられそうですし、もし雑種を作りたいならそういう操作でいけるのか気になります……が、そもそもナス属の中でもどういうものとなら雑種ができるのか。イヌホオズキ類の間で自然交雑種とかあるのですかね?
タンポポ #
消えたタンポポの草原 #
結構な頻度で人が入って刈り取りしているのだなと。それであの群落になっているのですし、これがこの場所の環境なのでしょう
刈り取りのある環境の方が合っているとかいう話も聞いたような気がする在来タンポポ。カンサイは完全には刈られておらず、新しい葉が動いているものも。ただし日当たりの関係でこいつのスタートは遅かったため、開花~結実とこの刈り取りがバッティングしていそう
他にも結構な勢いで復活している個体たちが。またどのぐらいで元のような姿になるかも余裕があればこの場所で追いかけていきたいですね
アカミ系の公園より #
いくつかの場所で見つけているタイプですが、それぞれ同じなのか同じやつを親にしているのかアカミ系には出やすいパターンなのかなんなのか……見た目が面白いので個人的に強い関心を惹かれるものです。この個体の場所を覚えて種を回収しておきたい
エリゲロンの理解を深めたい #
今日新しい場所で出会った個体はこいつです。花を見れば分かりやすくハルジオン
葉が茎を抱くようになる、のイメージがつかみやすいのかなと思う葉と、個人的にはこの写真にあるような蕾の見え方をしているのはハルジオンに多いのかなと、そう感じております
謎のキク科植物 #
今の時期結構その辺でこいつを見かける気がします
何かしらの園芸植物の逸出ではないかな?と思っているのですが実際どうなのでしょう。こいつの正体も調べないと、とは思っているのですがいまいちどういう方向から調べればいいのか……黄色い花のキク科なんてありふれていますし
サクラ属のこの時期気になるアレ #
一年近く埋めておいて乾燥を避けて……というところがハードル高いですよね
何かというとサクラの果実です。そもそもこういう奴の内どれが発芽能力を持っているのか、どう判別するかもよく知らないのですが毎年落ちているものを見るともったいないなと少し思う
上のものはサクラの中でも何者かも分からない(開花している時期も訪れていたのですがろくに見ていなかった)のですが、こっちは何かわかります。カンヒザクラですね
色としては黒っぽい方が時間が進んでいるとは思うのですが、もうカンカンになって乾燥しているように思えるものも多かったのでこういう落ちている赤いものをいくつか拾ってみて……持ち帰ってみたものの自分で播くことはあるのかどうか。ひとまず処理してみるべきか、他人に需要がありそうならこのままの方がいいのかどうかも