ツタノハルコウについて #

「ツタノハルコウ」で検索するとマルバルコウ(Ipomoea coccinea)の別名としてその名前がヒットすることが多いのですが、マルバルコウとツタノハルコウは似ている面もありながらも別種の植物で、いくつかの相違点もあります

マルバルコウとの相違点というものを主眼に置いて何点かあげていますが、「ツタノハルコウはこういう特徴がある」という情報を個人的な視点で

相違点その1:花色 #

と言ったのですが自分が見付けた場所はいつもいじけたような花で、綺麗に開花した写真を自分では撮影できておらず……ここではWeb上のクリエイティブコモンズのお写真をお借りして

マルバルコウの開花例
L. Shyamal - Red Ipomoea hederifolia from Chikmagalur, India / CC BY-SA 3.0

こちらがツタノハルコウの開花例です

マルバルコウの開花例

マルバルコウの花と比較して、一番に着目したいのは中央部分の色の違いでしょうか?ここが黄色っぽくなっていればマルバルコウ、そのような色の変化のない花であればツタノハルコウの可能性が高いと言えます。〇〇ルコウの仲間でいうとハゴロモルコウも単色の花を示すのですが、そちらは複雑に切れ込んだ葉をしているので

相違点その2:葉の形状 #

こちらも割とマルバルコウと似たものになる個体が存在しているので(上の開花写真の個体でもそうですが)、「ツタノハルコウはこういう葉でないといけない」ではなく「こういう葉をしていたらマルバルコウではない」という判別点になるのですが

3裂しています

このように3裂した葉をしている個体があり、学名のhederifoliaやそれを訳したツタノハルコウという和名から連想されるのはこういうタイプの葉ではないでしょうか?と思えます。この形の葉はマルバルコウにはあり得ないので、それっぽいものを見つけてこういう葉をしていれば 「こいつはツタノハルコウだな!」 と言える確度が非常に高くなります

相違点その3:果柄 #

果実自体はその大きさと1まとまりにつく数と、マルバルコウと比較してもそこまで大きな差はないのですが、その根元部分である果柄に関しては両者で大きな違いが見られます

完熟してもなお折れ曲がらない果柄に注目

マルバルコウと異なり、ツタノハルコウの果柄は曲がらないという特徴があります。最初これを見たとき自分は「おかしなマルバルコウがいたぞ?」となったので、マルバルコウを知っている人なら結構な違和感を抱かせる要素になる……と思います

相違点その4:種子 #

向かって左がツタノハルコウ、右がマルバルコウの種子です

果実の大きさが近いだけあり、種子の大きさはかなり近いのですが

  • 表面の毛が長く量も多いために「毛深い」という印象を与える
  • 目立つ凹凸が存在する

という明確な違いが存在します。上の果柄の話と合わせて、果実周りが特に判別するための特徴として利用しやすいのではないかと考えます